「この先は二人きりで」まちお郁
「この先は二人きりで」まちお郁
一迅社/gateau comics
片想い中の相手に想いを寄せる女子が現れ、焦って思わずキスしたら、
あっさりお付き合いが始まっちゃうDK同士のキュンキュンもの。
片想い中は、どうにか自然に触れないかと考えていて、
電車で膝が触れ合っているのも普通。
でも、いざ付き合い出したら、浮かれているのが顔に出るかもと、
ちょっとしたスキンシップも避けちゃう春輝。甘酸っぱい!
デート中、竜介が楽しそうだの、ラーメンうまかったらしいだの、
相手の事ばっかり気にしているのが、健気で本当可愛い!
竜介は竜介で、問題があればすぐ話し合って引き摺らない。
素直で懐でかくて、デートもリードする男前。
良いスパダリになるよ。
ど定番だけど、作者色しっかりで、見飽きた感は無し。
DKものは、今この時のきらめきを堪能するものなんだろうけれど、
大学・社会人と出歯亀させて欲しい二人。
「飴とキス」秋平しろ
「飴とキス」秋平しろ
大洋図書/H&C Comics CRAFT SERIES
○ファッションビルの本部社員×ショップ店員
見た目に自信のないショップ店員が、片想いからのバカップルになる迄。
充分可愛いのに、不細工と思っている子、性癖。
爽やかで人当たり良いのに、実は受けしか見てない攻めも性癖。萌える。
自分の外見には卑屈だけれど、
せめてお洒落には気を遣いたいとお仕事頑張ってる前田くんが可愛い。
それ見てデレッデレの楊井さんも良い!
「触ってもいいですか?」と、楊井さんの期待に反してハグする前田くん。
純・情!そりゃあ楊井さんもなかなか手を出せないよ!
付き合い始めで、キュンキュンさせてからの遠恋パート。
楊井さんの事だけ見ていれば良いのに、自信のなさ故、
自分しか見えず揺らいでしまう前田くん。
性格がうまくストーリーに作用している。
乗り越えてしまえば、あまあまでベッタベタのバカップル爆誕。
「オールドファッションカップケーキ」佐岸左岸
「オールドファッションカップケーキ」佐岸左岸
大洋図書/H&C Comics ihr HertZ Series
○部下×上司
アラサーとアラフォーが、女の子ごっこしたりガールズトークしたりする、
何その可愛いしかないのっていうお話。
リーマン・年下ワンコ・スイーツ・フェチ…
盛り沢山だけれど、自然と詰め込み感はなく、
この世界観を育むピースの一つ一つだと腹に落ちる。
正論は人を傷付ける。
でも素直にお礼を言える野末は素敵で、
心境が三つ揃いに反映しちゃったりと可愛らしい。
好意だだ漏れだったのに、口説いてましたと過去形で語り、
受け入れて貰えるなんて思ってもいない外川。
最初に吐露した正論は、自分にも刺さっていたのか…。
どれだけ脳のアンチエージングをしても、恋愛に踏み出すのは別物。
最後は年の功勝ちかな。
「いつもただ可愛いです。」収まるところに収まれば、
外川の殺し文句の投下の嵐に悶えさせられる。
外川の照れ笑いの八の字眉が、最高のアンチエージング。
「リンゴに蜂蜜」「彼の薔薇色の人生」秀良子
「リンゴに蜂蜜」「彼の薔薇色の人生」秀良子
東京漫画社/MARBLE COMICS
○大学の後輩×先輩
幸せは続かない。
良い思い出を作って、それを糧に生きようと思っている夏樹と、どうにかしたいコマノ。
それを基盤に、薄まる事なくこの分量を展開出来るすごさ。
コマノの吹けば飛ぶような軽さ、宇宙人っぷりが好き。
夏樹の決死の「好きだ」にあっさり「俺も」って返すところも良い。
笑顔の裏で、ひん剥いて突っ込みたいって考えているのとか萌えしかない。
幸せ慣れしてない臆病な夏樹も好き。
気にしているのに、スッと笑顔で武装しちゃう。でもコマノには分かっちゃう。
そういうの堪らないから!
以前友人(乙女ゲーム好き。BLに理解はあるけれど、読む程ではない。)に、
「一冊だけ薦めてくれるなら?」と言われて、真っ先に思い浮かんだのはこの作品だった。
友人の趣向も考慮したとはいえ、個人的なBLど真ん中なのかもしれない。
何度読んでも飽きないし、何時読んでも面白いんだよなぁ。
「ボーイズ・ランブル」栗田こなち
「ボーイズ・ランブル」栗田こなち
一迅社/gateau comics
○腹黒年下リーマン×押しに弱いノンケ高校教師
恋愛から長らく遠ざかっていた受け。
職場の高校に出入りしている教材会社の攻めとたまたまゲイバーで遭遇し、
呑み比べをするが、気付けば事後。
それを機に迫られるようになって…
迫られている相手とご飯行くのが楽しくなっちゃう、
良い感じに空気が読めないうっかり受けが可愛い。
察せられるしフォローも出来る、真っ直ぐ口説く、
でも拭いきれない攻めのクソ野郎感も良い。
殊勝な表情も、一旦引くのも、作戦ではなかろうかとつい勘繰ってしまう。(邪推)
過去の不毛な恋の所為で出来なかった、
こういう付き合いをしたかったんだろうなぁ、
かなりどっぷり甘えたなんだろうなぁ、と思えて、受けが絆されちゃうのも分かる!
年下攻めのズルさ!
攻めの強すぎる性欲に悩まされながらも押しきられつつ、
うまくやっていくだろう同棲編も読みたい!
「よつもじ。~今日も、明日も~」暮
「よつもじ。~今日も、明日も~」暮
コアマガジン/drap COMICS DX
○作家×編集
大人の日常ラブが詰まった珠玉のおじさんBLー
背景に洗濯物が干してある生活感も自然な、
40代同士の落ち着いた恋愛なので、気張らずにまったり堪能出来る。
とは言え、恋人歴は長くないのか、しっかりラブラブ。
一緒に料理したり、イチャイチャしたり、
取材旅行に行ったり、イチャイチャしたり。
燃え上がるようなそれではないかも知れないけれど、
日常の地に足の着いたときめきが心地良く、ほっこり…でもどこかこそばゆい。でもそこが良い!
攻めの口元、受けの目元、二人の指先、
丹念に描かれた仕草の一つ一つから色気が漏れ出ている。
おじさんって良い。(しみじみ)
好きな人と、何でもない事をずっとしたかったと言う攻め。
そう出来なかった過去があるんだろうなぁ、と伺える場面や、
その直前の意味深な海の話もあるので、次巻での掘り下げに期待。
「門限8時の恋人」じゃのめ
「門限8時の恋人」じゃのめ
講談社/Honey Milk Comics
○アパレルショップ店長×ワケアリ美少年
フラれて、新しい人がストンと落ちてこいと願う攻めの元に、
映画のように現れた受け。
今度こそ本物の恋と、ゆっくり時間をかけて想いを育てようと思っていた攻めに対して、
即ホテルに誘う受け。
身体の関係から始まって、"好きになる付き合い" をしようと歩みだす二人。
好きになるまでの歯痒さ、好きになってからの葛藤…
二人の想いが丁寧に描かれ、
まだ好きと言わないけれど、態度でばればれの受けに、
攻めじゃなくてもキュンキュンするし、
相手に合わせたデートを自然にこなす大人なのに、クレープにはしゃいだり、
あっさり帰るようでいて、エロい面チラ見せしたりする攻めのギャップに、
受けが惹かれていくのも納得!
受けの行動力で始まり、受けの行動力で終わらずに済んだ二人。
尻に敷かれて、でも片方が挫けそうな時は、
もう片方が甘やかしてラブラブっていう未来が見えて良い!