「泡にもなれない恋ならば」三月えみ
「泡にもなれない恋ならば」三月えみ
竹書房/BAMBOO COMICS 麗人セレクション
短編集。短編派じゃないけれど、この本は別。
表題作の、自己犠牲は美しくない、大人の辛口恋愛も良いけど、
不思議な力を持つ "神" こと "土木課の赤石" を軸に繰り広げられるオムニバスを、ごりっごりに推したい。
「その神は、役場にいる。」は、涙腺ゆるいので、読む度に泣いてしまう…。
二回目以降は、初っぱなのキスシーンでもう駄目。
蓼科の存在感が強いので、立山がどうしても霞むけど、
鳥海への想いの強い良い攻めなんだよ。
「今日も神は、役場にいる。」で、恋って苦くてしょっぱいなぁ。
でもやっぱり甘い。でも重い。を味わい、
「僕の神は、役場にいる。」で、軽やかに着地。
特異な能力のお話ではあるけれど、不思議と自然に呑み込めてしまう。
シリーズ三編、皆こじらせ受けなので、攻めは皆寛容。頼もしい。
そして、エロがしっかりエロい。